2017年11月 高雄と台中 二都市滞在の9日間
高雄観光と台湾第2の都市になった台中滞在の旅


旅行へ出かける3日前に風邪をひいて寝込んでおりました。というわけで旅の前半は、体調回復・整えながらのリハビリ高雄旅行、後半からは本調子(?)の台中滞在の旅となりました。

実は高雄、お仕事も含めて今年だけで4度目の訪問です。友人からは、「あなたは高雄、もう見るところがないのでは?」などと言われることもある私ではありますが、まだまだ訪れたことのない高雄の場所がある上に、「しばらく行ってない・見てないから、数年振りの久々リピーター旅してみたいよねー」的な場所も多いんですよね。高雄という都市の発展も感じられますし。2015年11月に訪れたときは建設中だった高雄LRTが、今年の2017年5月には試験運転中で無料だったのに、今回の11月訪問では高雄LRTが営業運転を開始しておりまして、運賃を取るようになった&営業キロ数も増えていて、いつの間にか西子湾まで延伸しておりました。

高雄LRTの開通によって、歩かなくて済む・行ける場所が増えることは、旅行客としてもうれしい限り。今まで見たことのない高雄という街の顔や風景・景色に、これから先、触れられる機会が増えることにつながりますからね。

旅の後半は台中を拠点に過ごしました。

台湾国内の報道によると、今年(2017年)7月末時点で台中市の人口が高雄市を抜き、台湾第2の都市になったと報じました。(ちなみに1位が新北市、3位が高雄市、以下は台北市、桃園市、台南市と続きます)「台中は台湾で最も住みよい街」とも言われています。台北ほど雨が降らず、物価は安く、人の歩く速度や生活リズムもゆっくりとしているからでしょうか。短い滞在ではありましたが、私にもそう思える部分はありました。

台湾鉄道の台中駅がある旧市街を見て歩くと、日本の古い地方都市を想起させられます。歴史をひも解けば、台中の街が発展する起点となった契機は日本統治時代。鉄道の通過と駅の設置は台中と台湾各地とを結ぶ交通の要となり、中部の中心部と見なされるようになりました。また、幸いにも第二次世界大戦の太平洋戦争(台湾では「抗日戦争」とも呼ばれます)の連合国軍による台湾への空襲被害が台中だけは少なく*、都市機能をそのまま維持できたことも大きいのでしょう。実際に台中の街を歩きますと、所々で日本統治時代からの建物が見られます。

*「全島十一市制施行地中、都市ノ機能ヲ喪失セルハ基隆、新竹、嘉義、台南、高雄ノ五市、同半減セルハ彰化、屏東、宜蘭、花蓮港ノ四市、同三分ノ一ヲ減ゼルハ台北市ニシテ僅ニ保持シタルハ台中市ノミニ過ギズ」
(1945年/昭和20年8月発行 台湾総督府警務局「台湾空襲被害概況」より)
■参照:国立公文書館 アジア歴史資料センター(レファレンスコード検索)
レファレンスコード「C11110408300」を入力すると、台湾総督府警務局が終戦直前の1945年/昭和20年8月にまとめた公式資料「台湾空襲状況集計」を閲覧することができます。

ちょっとカタイ話をしてしまいましたが(苦笑)、台中は台湾の大都市の中で比較すると、趣ある古い建物がそこかしこ残っています。当時の雰囲気を残しつつ、新旧を融合したリノベーションされたスポットも観光の大きな見どころの1つです。(有名なところでは、古い台中駅のそば、旧市街にある「宮原眼科」がそうですね)数年後に訪れたら、「ああ、ここはこうなったのね~」的な、街の変化が楽しめそうな場所でした。また、台中の商業の中心は台中駅のずっと西にあり、デパートや高級マンションなどが建ち並んでいて「新都心」を形成しています。今度はそっちにも足を運んでみたいですね~。

※参考までに今回の旅程など

当日のおおまかな動き(旅程)
1
[夕方]成田空港からJL便で[夜]高雄入り
高雄空港からMRTで鹽埕埔→ホテルへチェックイン
2
[午前]鹽埕埔からMRTで高雄国際機場→中華電信カウンターでSIMカード受け取り→再びMRTで美麗島→乗り換えて鳳山→駅から歩いて鳳儀書院へ
[昼]MRT鳳山駅からMRTで左營駅→環球購物中心でお弁当を購入♪
[午後]MRTで中央公園→歩いて原宿玉竹・新堀江をぶらぶら散策→中央公園から再びMRTで凱旋→LRT前鎮之星駅へ歩いて乗り換え→LRTで哈瑪星駅までの車窓をのんびり眺めて過ごす(笑)
[夕方]LRT哈瑪星駅から歩いてMRTに乗り換え→西子湾からMRTで鹽埕埔→途中で飲み物などを確保して、一度ホテルへ戻る。
11月でも高雄の気温は30度超え! 汗で衣服びっしょりのため、宿のコインランドリーで洗濯&お昼に買ったお弁当を夕食にして、涼しくなる夜まで部屋で休憩&デスクワークのお仕事(苦笑)
[夜]愛河のほとりでビールを飲んで、適当に散歩(笑)
3
[午前]鹽埕埔からMRTで後驛駅→歩いて高雄市新客家文化園区(客家文物館)→愛河沿いを歩いて凹子底→MRTで左營駅→今日も環球購物中心でお弁当を購入♪
[昼]MRTで西子湾→歩いて哈瑪星鉄道文化園区→哈瑪星台湾鉄道館で台湾の鉄道網1083kmを再現したジオラマを見学→[午後]駁二芸術特区へ移動→蓬莱倉庫群と大勇倉庫群を散策→宿泊先から超近いので、そのまま歩いてホテルへ戻る。
今日も宿のコインランドリーで洗濯&お昼に買ったお弁当を夕飯に。涼しくなる夜まで部屋で休憩&デスクワークのお仕事
[夜]今夜も愛河のほとりでひとりビールを飲む(笑)
4
[午前]鹽埕埔からMRTで高雄車駅→台湾鐡道に乗り換えて九曲堂駅→歩いて高雄市大樹區舊鐵橋湿地公園(舊鐵橋天空步道)へ
[昼]九曲堂駅前を散策→台湾鐡道で高雄へ移動→MRTで左營駅→今日は高速鐡道のお弁当を購入♪
[午後]MRTで鹽埕埔→高雄市立歴史博物館を見学→高雄市電影館をチラッと見てからホテルへ戻る。
宿のコインランドリーで洗濯&お昼に買ったお弁当を夕飯に。
[夜]愛河沿いをぶらぶら散策(明日の移動に備えてビールは飲まず)
5
[午前]お昼前までホテル部屋でデスクワーク
[昼]鹽埕埔からMRTで新左營駅→高速鐡道で台中へ移動→[午後]高鐡台中駅で台湾鉄道に乗り換え→新烏日→台中駅着→すんなり宿へチェックイン→[夕方]ホテルロビーで友人と合流→徒歩で宮原眼科→第四信用合作社→太陽餅博物館→台中第二市場の路地を見て歩く
[夜]台中第二市場から柳川水岸歩道→中華路夜市→太魯閣新時代を散策
【夕食は玉口香扁食園のワンタンメン!】
連日の歩き疲れ&筋肉痛、台中初日は無理せず回復優先で早々に宿へ(笑)
6
[午前]路線バス&徒歩で台中市内観光へ→宝覚禅寺→台中市孔子廟→台湾香蕉新樂園へ
【台湾香蕉新樂園で水果茶(フルーツティー)の小休憩】
[昼]レトロ台湾を再現した香蕉新樂園内を見学後は一中街商圏をぶらぶら→台中公園→台中柳原教会(工事中で見学できず)→路線バスに乗って台中駅前まで戻る→[午後]台中駅から歩いて第四信用合作社へ
【第四信用合作社で「宮原眼科」の冰淇淋(アイスクリーム)を堪能!】
[夕方]柳川沿いを歩いて台中文学館→台中市政府警察局第一分局→柳川水岸歩道方面へ
【夕食は北方水餃で水餃と酸辣湯!】
[夜]柳川水岸歩道でコンサート(?)を眺めつつ友人と語らい→のんびり歩いてホテルへ戻る
7
[朝]台中駅から台湾鉄道で新烏日→高鐡台中駅へ移動して、台北から合流の台湾友人と待ち合わせ
[午前]高鐡台中駅から台湾好行バスに乗って鹿港観光→天后廟→鹿港老街(古蹟保存區)→鹿港第一市場をそぞろ歩き
【昼食は老師傅鴨肉焿でまるごと鶏肉飯!】
[午後]鶴棲別墅→摸乳巷→龍山寺→意樓→九曲巷→鹿港桂花巷芸術村へ
【歩き疲れて鹿港芸術村のカフェでお茶休憩!】
[夕方]芸術村から歩いて鹿港のバスターミナル→路線バスに揺られて高鐡台中駅まで戻る(日曜の道路渋滞で夜7時半過ぎに到着…)
【夕飯は高鐡台中駅構内の丸亀製麺で牛肉烏龍麺!】
[夜]台湾友人とここでお別れ→台湾鉄道で新烏日→台中駅→ホテルへ
8
[午前]台中駅から台湾鉄道で二水駅→集集線一日周遊券を購入して[昼]集集線に乗り換え→終着駅の車埕駅→駅周りをのんびり散策[午後]鉄道で車埕→集集へ移動
【遅め昼食は駅前の好口味小吃で南投意麺(乾/汁なし)】
[夕方]集集から鉄道で二水へ移動→乗り換えて[夜]台中駅に到着→路線バスに乗って→台中の新光三越がある秋紅谷→バスを乗り換えて逢甲夜市へ
【逢甲夜市の吉蜂蒸餃(肉は羊だったような?)】
逢甲夜市からの帰りは、なかなかバスが来ず、ちょっと難儀いたしました…。(台中で合流した友人とはここでお別れ)
9
[朝]宿をチェックアウト→台中駅から台湾鉄道で新烏日→[午前]高鐡台中駅から新幹線で桃園→桃園空港MRTに乗り換えて台湾桃園空港へ
[午後]台湾桃園よりJL便で[夜]成田空港へ

さて、今回もバスに乗って約1時間の鹿港を訪れたり、鉄道ファンに人気の「集集線」に乗ったりと、旅の拠点を台中に移してからは日帰り小旅行を楽しみました。ここをベースに考えると、日月潭とか高美湿原あたりの小旅行がパッと思いつきますが、地図と台中のバス路線図を眺めますと、さらに内陸へ向かうバスに乗れば、山間部の温泉地に行くこともできそうだなぁ…と。(まぁ、実際に行くのであれば、まず日帰りは考えないんだけどw)

台中市内観光の移動の足は路線バスになることが多いと思います。これが台中ビギナーの私には、ちとハードルが高くて「う~む」と唸る場面も。EasyCard(悠遊卡)やiPASS(一卡通)があれば、台中市内の公共バスは(一定距離は)運賃無料なのではありますが、いまひとつ「どこを通る・乗り降りする場所」なのか、よくわからんかったですね。それを特に感じたのは逢甲夜市からの帰り。台中駅(方面)へ行くバスに乗ったはいいけど、「あれ?コレ遠回りしてね?」とか思ったり…。

人口数で台湾第2の都市になった台中にもMRTやLRTが欲しいところです。

<2018年1月4日掲載>