旅の魅力、いまだ悟り切れず。
旅行の魅力って何だろう?どうしてまだ続けているの?その理由は何だろう?
旅行を趣味としてから10年以上の月日が経ち、始めた頃のような「熱さ」はもうなくなって、つい3、4年前までは「ぜひ、ここへ行ってみたい!」と思える場所もなくなっていた私。でもその間、どこへも出かけなかったわけではなく、振り返ってみれば、プライベートの「旅行」は少なかったけれど、仕事で「旅」はしておりました。
……今、何気なく「旅行」と「旅」という言葉を使い分けていましたけど、なるほど、「旅」とは「手段」のことなのですね。そして「旅行」とは、「目的+手段」って意味合いの言葉なのかも?←なんとなくコレ書いている時に発見したw
意味合いは取りあえず置いといて、私の文中には「旅」と「旅行」という言葉が入り混じるとは思いますけど、まぁ、そこのところはあまりこだわらずに、まぁ、読んでくださいませ(笑)。
「趣味は旅行です」と答えたけれど、ちと疑問が…
ある日、仕事仲間の1人から「趣味は何ですか?いやー、休日は何をしてるのかなーと思って」と聞かれた私は、ちょっと間を置いてから「旅行かなぁ……」と答えました。ほかに趣味らしいものが思い浮かばなかったというか、考えたら私、日常的に楽しんでいる趣味がなかったのです。
読書とかスポーツクラブで汗をかくことなど、趣味として言ってもいいかも?と思えるものはあったのだけど、その当時、それを「趣味です」とは私、言えませんでした。だって「目的」がはっきりしている活動だから。本が好きで読書しているわけじゃなくて、資料として本を読むとか、体を動かすことは好きだけど、スポーツクラブにお金を払ってまで通うのは、健康管理、体調の調整も含め、運動不足解消&毎日の仕事に耐えられるようにするためであったりするわけなのです。
じゃ、旅行だって目的があるだろーっ!と、すぐ自分自身にツッコミを入れて考えてみる。うん、確かに目的はある。ただ違うのは、「また行きたいなぁ……」と思えるような気持ち。義務じゃないんですよねー。あ、「趣味は旅行」という言い方が良くないだけかもしれない。「楽しみは旅行です」って言えば、疑問を持つこともなかったかも?
旅の魅力とは、一体何だろう?
「楽しみは旅行」というならば、一体何が楽しみなのだろう? グルメ? 買い物? 出会い? 風景? いろいろ魅力的なことが連想されるけど、ひと言でなかなか表現できない。いくつもの楽しみがあって、いくつもの魅力があるからなのか? 一部分を切り取って、「ココが魅力!」と言うことはできるけど、全体として「旅」の魅力は言い表しにくい。まるで、恋しちゃった相手のどこが好き?って聞かれているようなもので、すぐに答えが思い浮かばない(笑)。
でも、「旅の醍醐味は?」と聞かれたら、それは旅の「過程」そのものにあるんじゃないかなーとは言えるのだけど。
かつてイギリスのジョン・ラスキンは「あらゆる旅の魅力は、スピードには反比例する」と言ったという。うむ、なるほど。旅には目的地があるものだけど、その真髄はやはり「至るまでの道のり」ということか。
目的地に早く到達することが重要視されると、旅の質は大きく変わってしまう。休暇であっても誰もが急ぎ、行程を管理する旅に堕ちてしまう。いくつ見たとか行けたとか、これじゃ仕事の工程管理と一緒だよ(悲)。
飛行機の旅は魅力半減?
そういえば、旅本の中で「飛行機の旅」の本って見たことがない。飛行機を使う理由って、だいたい目的地までの移動時間を短縮できるからだし、短い日程で早く行くにはそれしかないからだ。これが飛行機の旅の一番の魅力ってことなんだろうな。
船とか鉄道、バスや徒歩の旅は移動に時間がかかって遅いわけだけど、飛行機と比べて、なんというか、私たちの「皮膚感覚」に近いような気がする。「風を感じる」ことができる旅って言えばいいのかな? 飛行機のファーストクラスにも乗ってみたいけれど、時間があったら、ゆっくり地元を離れて行き、ゆっくり地元へ帰ってくる「スローな旅」の方を私はきっと選ぶだろうなぁ。。。
旅と人生は似ているかもしれない
人生と旅を重ねる思想は古くからある。松尾芭蕉の「奥の細道」は「月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり」で始まる。ほかには歌人の若山牧水が「私は常に思って居る。人生は旅である」と記し、島崎藤村は「旅じゃありませんか、誰だって人間の生涯は」、ゲーテは「僕はどうやらこの世における一個の旅人にすぎないようだ」などの名言・格言が残されている。
「人生は旅であり、旅とは人生である」とはどういった意味だろう。旅行としての旅はあまりに短く、私自身まだ人生を語れるだけの経験も知識もない。非日常の旅行として旅が楽めるうちは気が付かないけれど、これが毎日続くと日常になる。そうなった時に「旅と人生は似ている」と感じられるものなのかな。
毎日が同じことの繰り返しで、その本質は辛く、1人で歩くには長すぎる。たぶん、それが人生なのだと思う。そうか、人生において「伴侶」とは、パートナー(配偶者)のことだけど、「伴侶」は旅の同行者を指す言葉でもありました。旅と人生の共通点が言葉上にあるのですねぇ。。。