気持ちいい生活(観葉植物編)
旅先の宿に学ぶ、くつろぎの空間作り。植物や自然になごむ最近の私?


「レオン」という映画をご存知でしょうか? この映画の中で私的に印象が強かったのは、殺し屋レオンが無口な「観葉植物」をこよなく愛し、毎日心して世話をしていたこと。彼は大切にその葉を1枚1枚、霧吹きをかけながら拭いていく。殺し屋という「非日常」の世界で生きるレオンにとって、おそらく唯一の「日常」が観葉植物。そしてたぶん、これは「憧れ」で、彼にとって「癒し」だったのだろうなぁ。

部屋に緑があるというのは気持ちいい。この色が持つイメージ・心理的作用は、「やすらぎ」や「落ち着き」といった鎮静作用。植物の緑が身近にあると、精神状態の安定を示す脳波(アルファ波)が増幅し、ほとんどの人は癒される感覚を覚えるらしい。

旅先のホテルでも、よく緑を飾っていたりしますよね。高級なところでは、部屋にも緑を置いてあるし、少なくてもロビーに緑を取り入れているところがとても多い。ホテルは客商売なのだから、「気持ちいい」ことにとても力を入れているし、まして、安心・休息といった空間が売り。ただでさえ、全体が見事にコーディネートされているホテルの部屋に、さらに緑が迎えてくれることにより、それだけでホッとして疲れが軽くなり、心地よい睡魔が襲ってくる。

妙な生活臭漂う(?)私の部屋は、インテリアが云々という以前の問題でありまして(笑)、有りもので組み合わせているために、ホテルのような部屋作りは絶対に無理。部屋の模様替えをするときは、一応くつろげるホテルの部屋をイメージしたりするけれど、悲しいかな、バラバラ種類の我が家の家具たちは、そりゃーもうチャンポン状態。ただ置き場所を換えてみたりってことがほとんどだ。でも、とりあえず生まれ変わったような、新鮮な気分を味わえる。そして今よりいい毎日になると信じている。引越しの時もそうだけど、部屋が変わるということは夢があるわけだ。で、生活必需品じゃないけれど、買ってみるものの中に、「鉢植え」って入ってないですか~?

今の家に越してきたとき、前より広くて日当たりもよくなったので、つい鉢植えを買ってしまいました。それもいきなり、大・中・小と3鉢も(笑)。ドラセナ、ノリナ(トックリラン)、ヘデラ(ツタの種類)の3つで、それまで都市部に住んでいた私にとって、今いる田舎の郊外で買った鉢植えのお値段って、ものすごーく安かった。ノリナなんて、都会のキレイな園芸店で見ると、1万円なんてザラなんだけど、田舎では5千円。2メートルはありそうなドラセナも、そんなお値段だったような? 都市部に住んでいる妹も、ときどき田舎で何鉢か買い込んで帰って行く。車を持っていて、ついでに寄れるようなら、郊外で買った方が絶対おトク。

前はアパート暮らしで、シクラメンの鉢植えを玄関に飾ったりしていた。新しい葉が出て、みるみる伸びていく。この様子は文句なくすごい。子猫みたいに成長が見てわかる(笑)。毎日変わっていくのだなー。ヘデラもそうで、カエルの手みたいな薄緑の葉が、次々に生まれてくる。水やりを忘れ、または与えすぎて、元気なく萎れたときもある。小学校の「アサガオの観察」以来の体験で、植物って、本当に生きているんだなーと感動しています。

9月になって、私は2週間ほど旅行に出かけることになった。その間の鉢の世話は、母親に頼んでおいたのだけど、カゼをひいて寝込んでしまった。こうなると自分の方が心配になるのは当然で、鉢植えのことなんてすっかり忘れ、帰国したら、鉢植えは半分枯れてしまいました。暑かった上に、成長の早い時期だったので、あっという間に乾いたらしい。植え替えてもっと大きな鉢になってたら助かったかもしれないとか、数日早く帰ってたらと考えても、もうあとの祭り。植物って本当に……生きていたんだねぇ。

ヘデラも、最初の株はハダニがついて、今ヤバイ状態。薬を使ってもなかなか効かない。途中で切って水栽培してるやつに、望みを託すしかないかも。ノリナは日照不足で枯れてしまった。ドラセナは、なんとか枝を整理して、植え替えもしてとりあえず元気。今はアジアンタムと寄せ植えして部屋に置いてある。この夏、ちょっとアジアンタムに陽を当てすぎて、葉が焼けてしまった。ところで、郊外の園芸屋さんって、安いかわりに、枝の整理や植え替えが必要な鉢が多い気がする。高いところはコンディションを整えてるけど、買った人が私みたいに不慣れだとすぐ姿が変わってしまう。

そんなわけで、全体の形を整えるとか、鉢と葉っぱの相性を考えるとか、ゆとりが出てきたのはつい最近。私は根のために全部素焼き鉢にしているのだけれど、床に置く鉢皿は素焼きじゃない方がいいと、今さら悟ったり……。ちょっと動かすたびに床がこすられて、ツヤがなくなってきたんだな(笑)。小さい鉢を、プランター用の長方形の受け皿に並べるのもかわいい。鉢カバーもいいけれど、通気を考えると籐だけがいいかなぁ。。。

その後、妹や友人からもらったり、買ってきた鉢物は、育ちすぎて、ちょークソ元気(笑)。鉢から出して、思いっきり庭に植えてしまった。部屋に置いてあるドラセナの鉢には、何とナメクジやミミズ、ヤスデ(かなぁ?)が生息していることに3ヶ月たった今になってわかったり(←これは買ってきた土に入っていたんだろなぁ)、小さな生態系が身近に存在していることに良くも悪くも意外なことばかりでちょっと感激。観葉植物というと、インテリアの一部と考えられがちだけど、植物は「生き物」なのだから、思い通りにいかないのも当たり前なんだよね。殺し屋にならないためには、こまめな世話が必要で、実は結構、覚悟がいるものだ。

でもね。目覚めて一番最初に目に入るものが、みずみずしい緑だなんて、考えただけでいい気分。これが、観葉植物に私がハマっちゃった理由ってわけなんだな(笑)。

<2002年9月掲載>