仕事を抱えて旅してみると
仕事「少々」を抱えて、ちょっと旅行に出かけてみてもいいかも?


旅に出るといいことがある。それは日常ではないからなのかな? 「早起きは三文の徳」と言われるより、こっちの方が説得力あるような気がする。もちろん、いいことばかりとは決して思っていないけれど、それって、結果論なんだよね。

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休むときには「仕事のことなんかパッーと忘れて」なんて、気休め程度の冗談のような言葉だと思っている。だって、忘れるくらいなら、休みじゃない時だって忘れてるものなんじゃないかな? 実際に仕事って、その人が持つ常識とか世界観の大部分に影響を与えるものだしね。人生の中で、睡眠の次ぎぐらいの時間を占めている大きなものじゃないかと思うのだけど、そう感じるのは男の私だけ? 自分で安心できる分の仕事を毎日こなしながらの方が、のびのびと遊べるものじゃないのかな? と、まぁ、そんなこと言っておりますが、私は机にかじりつきながらの仕事だけではないのでありますが。

私の仕事は現場に出たり、遠くに出張したまま帰れない、移動しながらの旅仕事が年間平均で130日から150日間くらいある。勤めている会社の規定で、1年間に仕事が休める日数は年間平均で70日間程度。残りの日数は会社に行って、机にかじりついているわけで(実際はそれだけじゃないのだけど)、これをザックリ計算すると、1年間の8割は、仕事に割り当てる事が確定しているのだ。

年間70日間の休みがキッチリ取れるとして、いざ旅行に出かけよう!と思い立ったとしても、なかなかそう簡単には物事が進まない。特に不景気なこのご時世、「ちょっと旅行してきます~」とか言って出かけようなものなら、まわりの上司や部下からは、冷たい視線を私に向けるに違いない。そう言えばちょっと昔までは、余暇の時間はスポーツクラブに通って運動していた人が多かったけど、不景気だといわれるようになってから、人が少しずつ減っていったよなぁ。運動をして鍛える時間を、自ら働いてみせる仕事に変えていったのだろうなぁ。

でも、不景気だからといって、毎日の慣れた仕事の繰り返しである日常の中だけでは、いいはずがないんじゃないか?って私は思う。それだけに埋没してしまうと、人って、どうしてもそれだけになってしまう。それは、ものの見方や考え方などに偏りというか、それだけがその人の「普通」で当たり前になってしまい、他者の「普通」が理解できない・受け止められなくなってしまうのではないかなと、私はとても危機感を覚えるのです。

冒頭で、「旅に出るといいことがある」って書いたのは、そういった日常生活の中では、多分、どうしても働かない、あるいは働かせない方が都合のよい部分が私らの中にはあって、その部分を解き放つのが、いいことなんじゃないかなと思ったのです。それが旅の効用みたいなものなのですよね、きっと。

しかし、やはりすぐ行けるものではない。なぜなら、(いろいろな意味で)景気が悪いし、忙しいから。大抵の人がそうだろうし、私もそうなのだ。では、問題はどこにあるのだろう? 不景気で苦しいのに、「旅行に出かけてきます♪」というアイツだけはなぜ景気がいいのだろうか? チョット悔しい!なんて思っているのが、行かない人たちの気持ちなんじゃないかなぁ。人の気持ちはちょっと置いといて、「旅に出ることはいいこと」、これは大前提。会社はやることをやってくれれば、仕事としてはいいはずなのだから、問題なのは、旅に出ることではない。だったら、旅に出ていても、仕事が滞らない方法を考えればいいんじゃないのかな~?

例えば、連絡とか報告とかってヤツは、今の時代であれば旅に出ていたとしてもできる事が多い。通信手段が発達しているから現代は便利。携帯電話を個人で持ったり、FAX・Eメール等が当たり前の時代だから、これを利用しない手はない。実際に現場に出たり、人に会ったりしなければできない仕事はそうは行かないけれどね。

……そんなわけで2日間ほど、会社を休んで札幌1泊3日の旅へ最近出かけてみた。会社で定時までキッチリ仕事をして、夜の8時半ごろに寝台列車に乗り込んで地元を出発。そうすると、翌日のお昼ごはんは、札幌で食べているといった感じになる。荷物も、たいしたものを持って行かない。ホテルにチェックインしたら、お客さんのところへ電話をかける。早急に返事をする用事もないので、バスタブにお湯をためて湯に浸かってリラックス。部屋で仕事の報告書を作りながら、またお客さんのところへ電話。ホテルのフロントでFAXを借りて送信した後は、そのままルームキーを預けて外出。部屋に戻って会社に連絡を入れて、仕事の報告と相談をする。

仕事進行状況は問題ないみたい。こっちも札幌で順調に休暇を過ごしていますよ。再び外出してからその後就寝。翌朝にちょっと会社に連絡を入れて、その後、札幌から移動して小樽を観光。そこから空港へ直行して、出発までの待ち時間に会社へ連絡を入れる。そして夜中に自宅へ帰り、Eメールのチェック。翌日から出社。ちょっとハードではあるけれど、思っていたより簡単・楽ちん・安心で迷惑かけずのいい方法(と思っている)。気分転換&息抜きもできて、案外いい線いったと思っているのだけど、果してどうかな? たまには環境を変えて仕事するのもいいよね~。

まぁ、「強行スケジュールぢゃん!」と言われればそうなんだけど、体の疲れが心地よく、充実感が今までとは段違いでよかったのでありました。

<1999年2月掲載>